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湘南理工学舎
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2023/03/17

 楽しく学ぶ…微分積分
 ガンマ関数/ 広義積分  (gamma function)

 --目 次--
はじめに  ∗ガンマ関数の定義
ガンマ関数の性質:

(・ガンマ関数の漸化式  ・階乗の一般化 ・便利な式)


定義の証明   ∗具体例
性質の証明   ∗例題
その他の性質:

・負におけるガンマ関数 ・3つのガンマ関数の無限乗積
・相反公式 ・ルジャンドルの倍数公式 ・スターリングの近似公式

公式名になった偉人(閑話)

はじめに
  広義積分の応用として特殊関数であるガンマ関数とデルタ関数があり、今回はガンマ関数を学びます。
(「特殊関数」は「初等関数」に対する語でもあります。)
・ガンマ関数は第二種オイラー積分、次回のベータ関数は第一種オイラー積分と呼ばれている。
・広義積分は力学、電磁気学などをはじめ、もっと広い分野である自然科学の現象に現れ、活躍する積分法です。
・ガンマン関数の関した公式は多くありますが、微積分学の広義積分の流れで学んでいる方には後半の公式は参考として良いと思います。
(本文の広義積分が収束することと存在するは同意です。)
ガンマ関数
ガンマ関数は階乗の一般化とも言われています。
通常の階乗は正の整数におけるものを、正の実数の階乗に拡張した関数である。
(ここでは扱わないが、複素数にも拡張できる関数である)
ガンマ関数の定義  

実数\(t\gt 0\) に対し、変数t について定まるガンマ関数
 \(Γ(t)=\displaystyle \int_0^{\infty} x^{t-1}e^{-x}dx\) \(\quad :❶\)

ガンマ関数の性質  

1)ガンマ関数の漸化式
任意の正の実数 t について
 \(Γ(t+1)=tΓ(t)\) \(\quad :❷\)

2)階乗の一般化
n が任意の自然数について
 \(Γ(n)=(n-1)!\) \(\quad :❸\)

3)便利な式 (後で求める\(Γ(\frac{1}{2})=\sqrt{\pi}\)を利用した式)

\(Γ(n+\frac{1}{2})\) \(=\dsfr{(2n-1)!!}{2^{n}}\sqrt{\pi}\) \(=\dsfr{(2n)!}{2^{2n}n!}\sqrt{\pi}\) \(\quad : ❹_1\)

注:「!!」は2重階乗  \((2n-1)!!=(2n-1)(2n-3)(2n-5)\cdots 3\cdot 1\)

\(Γ(-n+\frac{1}{2})\) \(=\dsfr{(-2)^n}{(2n-1)!!}\sqrt{\pi}\) \(=\dsfr{(-4)^n n!}{(2n)!}\sqrt{\pi}\) \(\quad : ❹_2\)



定義式❶の収束の証明
\(Γ(t)=\displaystyle \int_0^{\infty} x^{t-1}e^{-x}dx\)  \(=\underbrace{\displaystyle \int_0^{1} x^{t-1}e^{-x}dx}_{ⓐ} \) \(+\underbrace{\displaystyle \int_1^{\infty} x^{t-1}e^{-x}dx}_{ⓑ} \)
以下を参考にして考えていきます。
・ⓐ項は優関数の定理を用いる。【参照先】
・ⓑ項は優関数の定理にくわえロピタルの定理を用いる。【参照先】
・注:\(t\) は積分に関しては定数である。
・被積分関数の特徴は「指数関数とべき関数」の積の形、べき関数の発散を指数関数で抑えているイメージ。

\(ⓐ=\int_0^{1} x^{t-1}e^{-x}dx\)について
・\(t\ge1\)のときは一般の積分です。(∵\(x\)の項が分母にならないから)
・\(0\le t\le1\)のときは以下のような広義積分になります。

\(x\) の項が分母となり、積分範囲の 0 の近くで\(x\)の項が\(\infty\)に近づく広義積分になる。
\(\frac{1}{x^α}\cdots\)の形の広義積分です。

次の関係が得られる(\(e^{-x}\le1\)だから)
\(\color{blue}{x^{t-1}e^{-x} \le x^{t-1} \quad :㋐ }\)  そして
\(f(x)=x^{t-1}e^{-x}\)\(,\ \)\(g(x)=x^{t-1}\)として、\(g(x)\)の広義積分をします。

\(\int_0^{1}g(x)dx=\displaystyle \lim_{ε \to 0} \int_{0+ε}^1 x^{t-1}dx \) \(=\displaystyle \lim_{ε \to 0}[\frac{1}{t}x^t]_ε^1=\frac{1}{t}[x^1-x^0]\) \(=\frac{1}{t}(x-1)\)

これより
\(\color{blue}{\int_0^{1}g(x)dx}\)\(=\frac{1}{t}(x-1)\)\(:㋑\)…は収束します。

上記の式㋐と、㋑の収束により \(g(x)\)は\(f(x)\) の優関数となります、( \(g\ge f\) )
 優関数の定理:優関数\(g(x)\)をもつ\(f(x)\)の積分は収束する

\(\therefore ⓐ=\int_0^{1}f(x)dx\)\(=\int_0^{1} x^{t-1}e^{-x}dx\) は収束します。


次に
\(ⓑ=\int_1^{\infty} x^{t-1}e^{-x}dx\)\(=\int_1^{\infty} \frac{x^{t-1}}{e^{x}}dx\) \(=\int_1^{\infty} f(x) dx\)について

分数式の項の分母の指数関数が早く立ち上がるから、被積分関数が減少・収束しそうに見えますが。
どうでしょうか…証明に入りましょう。

・積分範囲より \(x \gt 1\)について考えます。
・\(t\le n\)となる自然数n とすると 次の関係を得る。
\(x^{t-1}\le x^{n-1}=x^{n+1}\cdot x^{-2}\)\(=\dsfr{x^{n+1}}{x^{2}}\)

この関係を与式の被積分関数に適用すると:
\(f(x)=\frac{x^{t-1}}{e^{x}}\le\frac{x^{n-1}}{e^{x}} \)\(=\frac{x^{n+1}}{e^{x}} x^{-2}\) \(=\underbrace{\frac{x^{n+1}}{e^{x}}}_{g_1} \underbrace{\frac{1}{x^2}}_{g_2}\)\(=g(x)\)㋒  

結果を先にいうと: ・\(g_1\)は有限値にある。 ・\(g_2\)は積分すると 1 になる。

・\(g_1=\frac{x^{n+1}}{e^{x}}\) について

ロピタル定理を使い(\(\frac{\infty}{\infty}\)の不定形になるから)
\(\displaystyle \lim_{x \to \infty}\frac{x^{n+1}}{e^{x}}=\)\( \cdots \) \(=\displaystyle \lim_{x \to \infty} \frac{(n+1)!}{e^{x}}=0\)

これより、\(g_1\) は有界で、有限値があり、これを\(k\)\(\ (\gt 0) \) とする。

・\(g_2=\frac{1}{x^2}\) について

分母が \(x\)の2乗だから積分しても, x は分母に残るから:
\( x \to \infty\)に対し \(\frac{1}{x} \to 0\)

\(\int_1^{\infty} g(x) dx\)\(=\int_1^{\infty} k \frac{1}{x^2}dx\) \(=\displaystyle \lim_{b \to \infty}\)\(k\int_1^{b} \frac{1}{x^2}dx\) \(=k[-\frac{1}{x}]_1^{\infty}\) \(=k(\ul{-0}+1)\) \(=k\cdot1=k\)
\(g(x)\)の積分の収束が確認できました。

これと㋒の関係より、\(g(x)\)は\(f(x)\) の優関数となる。( \(g\ge f\) )

\(\therefore ⓑ=\int_1^{\infty}f(x)dx\)\(=\int_1^{\infty} x^{t-1}e^{-x}dx\)は収束します。

結論:ⓐとⓑの収束より、定義式❶ の収束と存在が確認できました。

ガンマ関数の具体例

1)\(Γ(1)=1\)

\(\int_0^{\infty} x^{1-1}e^{-x}dx\)  \(=\int_0^{\infty} e^{-x}dx\)\(=[-e^x]_0^{\infty}\)\(=-[0-1]=1\)


2)\(Γ(\frac{1}{2})=\sqrt{\pi}\)

ここではガウスの積分結果を使います。
\(\int_0^{\infty}\)\(e^{t^2} dt\)\(=\dsfr{\sqrt{\pi}}{2} \cdots\) これは証明なしで受け入れます。

\(Γ(\frac{1}{2})=\int_0^{\infty} x^{\frac{1}{2}-1}e^{-x}dx\) \(=\int_0^{\infty} x^{-\frac{1}{2}}e^{-x}dx\)  

\(x=u^2\)とし、\(\frac{dx}{du}=2u\) \(\to dx=2u du\)
\(x:0 \to \infty\) ⇒ \(u:0 \to \infty\)

\(= \int_0^{\infty} u^{-1} e^{u^2} 2u du\) \(=2 \color{red}{\int_0^{\infty} e^{u^2} du}\) \(=2 \color{red}{ \dsfr{\sqrt{\pi}}{2}}\)
\(=\sqrt{\pi}\) \(≒1.772\)



ガンマ関数の性質の式の証明
1) \(Γ(t+1)=tΓ(t)\) \(\quad :❷\)

部分積分により

\(Γ(t+1)=\displaystyle \int_0^{\infty} x^{t}e^{-x}dx\)\(=\int_0^{\infty} (-e^{-x})'x^{t}dx\) \(=-[e^{-x}x^{t}]_0^{\infty}-\int_0^{\infty}-e^{-x}tx^{t-1}dx\)  \(=-[0-0]+t\int_0^{\infty} e^{-x}x^{t-1}dx\) \(=t\int_0^{\infty} e^{-x}x^{t-1}dx\)
\(=tΓ(t)\) 

2)\(Γ(n)=(n-1)!\) \(\quad :❸\)

(n が任意の自然数について)
\(Γ(t+1)=tΓ(t)\)より
\(Γ(n)=(n-1)Γ(n-1)\) \(=(n-1)(n-2)Γ(n-2)\) \(=(n-1)(n-2)(n-3)Γ(n-3)\) \(=(n-1)(n-2)(n-3)\cdots 2\cdot1 Γ(1)\) \(=(n-1)!Γ(1)\)
\(=(n-1)!\)

【考察】この式より次のことが言える
・式❸が成り立つことより、ガンマ関数は階乗の一般化といえる。
 (ガンマ関数の定義式から式❸が導出できたから)
・式❸にn=1 を代入し、\(Γ(1)=0!\) である、また具体例より\(Γ(1)=1\) であるから 「\(0!=1\) である」ことが証明できた。

3) \(Γ(n+\frac{1}{2})\) \(=\dsfr{(2n-1)!!}{2^{n}}\sqrt{\pi}\) \(=\dsfr{(2n)!}{2^{2n}n!}\sqrt{\pi}\) \(\quad : ❹-1\)

\(Γ(n+\frac{1}{2})=Γ(n-\frac{1}{2}+1)\)\(=(n-\frac{1}{2})Γ(n-\frac{1}{2})\) \(=(n-\frac{1}{2})Γ(n-\frac{3}{2}+1)\) \(=(n-\frac{1}{2})(n-\frac{3}{2})Γ(n-\frac{3}{2})\)
\(=(n-\frac{1}{2})(n-\frac{3}{2})\cdots\frac{3}{2}\cdot \frac{1}{2} Γ(\frac{1}{2})\)
\(=\dsfr{(2n-1)!!}{2^n}\sqrt{\pi} \)
(注:「!!」は2重階乗)


例題次のガンマ関数の値を求めよ。

1)\(Γ(\dsfr{3}{2})\)

\(=Γ(\frac{1}{2}+1)=\frac{1}{2}Γ(\frac{1}{2})\)\(=\frac{1}{2}\sqrt{\pi}≒0.886\)

2)\(Γ(\dsfr{5}{2})\)

\(=Γ(\frac{3}{2}+1)=\frac{3}{2}Γ(\frac{3}{2})\)\(=\frac{3}{2}Γ(\frac{1}{2}+1)\) \(=\frac{3}{2}\frac{1}{2}Γ(\frac{1}{2})\) \(=\frac{3}{4}\sqrt{\pi}\)\(≒1.329\)

3)\(Γ(5)\)

\(=(5-1)!=4!=4\cdot3\cdot2=24\)



ガンマ関数のグラフ
 このグラフはエクセルのガンマ関数を使い描いています。
  ガンマ関数    
 ガンマ関数(正実数)

その他の性質
 ここからは定義域を負の複素平面へ拡張すること、多くの資料に合わせて、ガンマ関数の変数を\(t \to z\)に換えてます。
但し、後述する負の領域での留意点\( (Re z \ne 0,1,2,\cdots ) \)を除きます。
(積分変数\(x\)はそのままです)

1)負におけるガンマ関数(負の領域への拡張)
 ここまでの定義域は0 を除く正の実数(※)でしたが、ガンマ関数は負の複素平面にまで拡張できます。
複素数を扱わなければ、負の実数と考えればよいのです。
・このように定義を拡張することを解析接続と呼んでいます。
・負の領域には留意点/特異点\(0,1,2,\cdots \)(発散する点)があります。

従い定義域は\(Re\ z \ne 0,1,2, \cdots\) (Re:real part=実数部のこと)
「wikipedia ガンマ関数」でのグラフにおいて 負領域の急峻な立ち上がり部は特異点です。

さっそく負のガンマ関数を求め見ます
0 より小さいとき(負数)、次の式が使えます。
\(\ul{Γ(z)=\dsfr{Γ(z+1)}{z}}\) \(\ ❺\)

式❺の計算例:
・\(Γ(-\frac{1}{2})\)

\(=\dsfr{Γ(-0.5+1)}{-0.5}\) \(=-\frac{1}{0.5}Γ(\frac{1}{2})\)

\(=-2\sqrt{\pi}=-3.5449\)

・\(Γ(-\frac{3}{2})=Γ(-1.5)\)

\(=\dsfr{Γ(-1.5+1)}{-1.5}\) \(=\dsfr{1}{-1.5}Γ(-0.5)\) \(=\dsfr{1}{-1.5}\dsfr{ Γ(-0.5+1)}{-0.5}\)

\(=\dsfr{1}{(1.5)(0.5)}Γ(0.5)\)\(=2.3632\)

・\(Γ(-\dsfr{5}{2})=Γ(-2.5)\)

\(=\dsfr{Γ(-2.5+1)}{-2.5}\)\(=\dsfr{1}{-2.5} Γ(-1.5)\)\(=\dsfr{1}{-2.5} \dsfr{Γ(-1.5+1)}{-1.5}\) \(=\dsfr{1}{(-2.5)(-1.5)} Γ(-0.5)\) \(=\dsfr{1}{(-2.5)(-1.5)} \dsfr{Γ(-0.5+1)}{0.5}\) \(=\dsfr{1}{(-2.5)(-1.5)(-0.5)} Γ(0.5)\)

\(=-\dsfr{-1}{(2.5)(1.5)(0.5)} \sqrt{\pi}\)\(=-0.9453\)

ここから先は、微積分学の広義積分の流れで学んでいて、先のテーマが多く、余裕のない方は参考にして、将来必要な時に思いだしてくさい。
2)3つのガンマ関数の無限乗積(表示)

 次の3つの式は先の定義式❶から導かれ、ガンマ関数を極限式で表しています。
積分が無くなっているのが特徴です。
ガウスの乗積式がベースになり、他の2式はガウスの乗積式から導出できます。

ガウスの乗積式の導出の証明は【末尾に記載】します。(長くなります)

・ガウスの乗積式

\(Γ(z)=\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{n!n^z}{z(z+1)\cdots(x+n)}\) \(=\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{n!n^z}{\prod_{k=0}^n (z+k)}\)\(\quad :❻_1\)
注:\(\prod_{k=0}^n\):直積記号(掛け算の合計)


・ワイエルシュトラスの乗積式

\(\dsfr{1}{Γ(z)}=ze^{γz}\displaystyle\prod_{k=1}^{\infty}(1+\dsfr{z}{k})e^{-\frac{z}{k}}\)\(\quad : ❻_3\)
\(γ=\displaystyle \lim_{n \to \infty} \displaystyle \sum_{k=1}^{n}\frac{1}{k}-log\ n\):オイラー定数


・オイラーの乗積式

\(Γ(z)=\frac{1}{z}\displaystyle \prod_{k=1}^{\infty}(1+\dsfr{1}{k})^z(1+\dsfr{z}{k})^{-1}\)\(\quad : ❻_2\)


3)相反公式
   ガンマ関数と3角関数の関係式

\(Γ(z)Γ(1-z)=\dsfr{\pi}{sin\pi z}\) \(\ ❼\)


4)ルジャンドルの倍数公式
 \(Γ(2z)\)と\(Γ(z)\)の関係式

\(Γ(2z)=\dsfr{2^{2z-1}}{\sqrt{\pi} }Γ(z)Γ(z+\dsfr{1}{2})\) \(\ ❽\)


5)スターリングの近似式(代表例)
 \(Re z\)が大きいときの近似式

\(Γ(z+1)=z!≒\sqrt{2\pi z}(\dsfr{x}{e})^z\)\(\ ❾\)
 \((Re z \gg 1)\)


ガウスの乗積式の導出の証明
\(Γ(z)=\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{n!n^z}{\prod_{k=0}^n (z+k)}\)\(\quad :❻_1\)
定義式❶を次のように変形する
\(Γ(z)=\int_0^{\infty} x^{z-1}e^{-x}dx\) \(\quad :❶\)
"e" の定義式 \(e=\displaystyle \lim_{n \to \infty}(1+\frac{x}{n})^n\)
\(u=-\frac{n}{x}\) \(\ , \ n=-ux\)
\(\ul{\displaystyle \lim_{n \to \infty} (1-\frac{x}{n})^n}\)\(=\displaystyle \lim_{n \to \infty}(1+\frac{1}{u})^{-ux}\) \(=\ul{e^{-x}}\) を使う。

\(Γ(z)=\int_0^{\infty} x^{z-1}e^{-x}dx\)  \(=\int_0^{\infty}\displaystyle \ul{\lim_{n \to \infty}x^{z-1}(1-\frac{x}{n})^n} dx\)
 
したがい、次式の積分を解けばよい
\(Γ(z)=\displaystyle\lim_{n \to \infty}\)\(\ul{\int_0^{n} x^{z-1} (1-\frac{x}{n})^n dx}\) \(=\displaystyle\lim_{n \to \infty} \ul{Γ_n(z)}\) 

\(Γ_n(z)=\int_0^{n} x^{z-1} (1-\frac{x}{n})^n dx\)

\(=\frac{1}{n^n} \int_0^{n}x^{z-1}(n-x)^n dx\) \(=\frac{1}{n^n} \int_0^{n}(\frac{1}{z}x^{z})'(n-x)^n dx\) \(=\frac{1}{n^n} \{ [\frac{1}{z}x^{z}(n-x)^n]_0^n-\int_0^{n}\)\(\frac{x^{z}}{z}(-n)(n-x)^{n-1}dx \}\) \(=\frac{1}{n^n} \frac{n}{z} \{\int_0^{n} x^{z}(n-x)^{n-1}dx \}\) \(=\frac{1}{n^n} \frac{n}{z} \frac{n-1}{z+1} \{\int_0^{n} x^{z+1}(n-x)^{n-2}dx \}\)
\(\quad \quad \vdots\) 繰り返すと積分が外れる
\(=\frac{1}{n^n} \frac{n(n-1)(n-2)\cdots 1}{z(z+1)\cdots(z+n-1)} \{ \int_0^{n} x^{z+n-1}dx \}\)
\(=\frac{1}{n^n} \frac{n(n-1)(n-2)\cdots 1}{z(z+1)\cdots(z+n-1)} \{ \frac{1}{z+n}[x^{z+n}]_0^n \}\)
\(=\frac{1}{n^n} \frac{n(n-1)(n-2)\cdots 1}{z(z+1)\cdots(z+n-1)} \frac{n^{z+n}}{z+n}\)
\(=\frac{1}{n^n} \frac{n! n^{z+n}}{z(z+1)\cdots(z+n-1)(z+n)}\)
\(=\frac{n^z n!}{z(z+1)\cdots(z+n)}\)
(\(z(z+1)\cdots(z+n)\)は直積です。)

\(\therefore Γ(z)=\displaystyle\lim_{n \to \infty} \frac{n!n^z}{z(z+1)\cdots(z+n)}\) \(=\displaystyle \lim_{n \to \infty} \frac{n!n^z}{\prod_{k=0}^n (z+k)}\)


coffe

[コーヒーブレイク/閑話]…お疲れ様でした。


【公式名になった偉人】

 今回は人名の付いた公式が多く登場しました。 そこでその偉人の生きた年代、活動した国を調べてみました。
(ここでは偉人、ニュートン(主に微積分、天文、物理学)は登場していません)
印象的なのはオイラーとガウスです、2人はヨーロッパの近大の2大数学者といわれ、また物理学でも有名ですよね!

ジェームズ・スターリング(James Stirling) 1652/6/29-1770/12/05
イギリス、数学者

レオンハルト・オイラー(Leonhard Euler) 1707/04/15-1783/09/18
スイス生まれ、ドイツに移住。数学、天文、物理、その他

マリ・ルジャンドル(Marie Legendre) 1752/09/18-1833/01/10
フランス、数学

カール・フリードリヒ・ガウス(Carl Friedrich Gauß) 1777/04/30-1855/02/23
ドイツ、数学、天文、物理

カール・ワイエルシュトラス(Karl Weierstraß) 1815/10/31–1897/2/19
ドイツ、数学