単項式(monomial)
数、文字の積とべき乗だけで作られた式
例:
\( 2x, \ x^2,\ x^3y,\ … \)
\( 2x\)の 2 は係数、x の次数は 1 です。
多項式(polynomial)
いくつかの単項式の和で表せる式
例:
\( x+4,\ 1+x^3, x^2+y^2,\ … \)
多項式を構成する単項式を項という。
整式(well formed formula)
単項式と多項式をあわて整式という。
(数、文字の積とべき乗だけで作られた式)
\( \frac{2}{x}\) は「整式÷整式」なので 有理式である。
「整式 \(ax^2+bx+c\)」 などと表現する。(多項式でもある)
分数式(fractional expression)
分数の分母、分子が多項式になっている式。
すなわち整式と整式の商の形の式。
また有理式ということもあります。
真分数・仮分数・帯分数
(true fraction)(improper fraction)(mixed fraction)
真分数(true fraction)
分子が分母より小さい分数。
例: \(\frac{3}{5}\)
仮分数(improper fraction)
分子が分母より大きいまたは等しい分数。
例: \(\frac{5}{3}\)
帯分数(mixed fraction)
整数と真分数の足し算で表した分数。
例: \(2\frac{3}{5}\)
有理式(rational form)
分数式ともいう。
多項式が P , Q のとき:
\( f(x)=\frac{P(x)}{Q(x)}\)
を有理式という。
(数でいうと有理数に相当する)
有理関数(rational function)
分数の分母、分子が多項式になっている関数。(多項式の割り算で表した式)
有理式で表された関数を有理関数ともいう。
無理式(impossible expression)
有理式でない式、具体的には根号の中に変数が含まれている式のこと。
有理化(ratinalization)
無理数を変形して根号のない式に変形すこと。
次のことは分母の有理化といいます。
\( \frac {1}{x+\sqrt y}\)\(=\frac {(\sqrt x-\sqrt y)}{(\sqrt x+\sqrt y)(\sqrt x-\sqrt y)}\)
\(=\frac {(\sqrt x-\sqrt y)}{(x-y)} \)
累乗(power)
同じ数を何回も掛けたあわせたもの。
\( \begin{eqnarray}
a^n=\overbrace{a*a* \cdots a}^{n}
\end{eqnarray} \)
累乗の指数:n(整数)
累乗の底:a:
注:累乗数とは
累乗数とは他の自然数の乗数である自然数のこと
1,4,8,9,16… \(a^n\)
(a,nは自然数、n≥2)
冪(べき)乗(exponen fiattion)
べき乗の指数:nは
累乗の指数n を実数全体、複素数全体まで拡張したもの。
例:\( a^0,\ a^{-3}, a^{0.5} \ \cdots \)
べき乗の集合は累乗の集合を含む。
累乗の集合はべき乗の集合の部分集合。
級数(series)
ある規則で並べた数の
数列とある規則で並べた関数の
関数列(※1)の無限和のこと。
(
※1:関数項級数ともいう)
(無限級数と有限級数とあるが、単に級数といえば無限級数のことである。)
\( \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ \infty } a_n =a_1+a_2+\cdots+a_n+\cdots\)
\( \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ \infty } f_n(x) =f_1(x)+f_2(x)+\cdots+f_2(x)+\cdots \)
冪(べき)級数(power series)
(整級数ともいう)
\( \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ \infty } a_n x^n\)
\( =a_0+a_1 x^1 + a_2x^2+ \cdots \)
数列{an} の各項を順に加えた式が級数ですね!
この級数の各項がx のべき関数(無限級数)を冪(べき)級数/整級数といいます。
別表現として一般に:
\( \sum (x-a)^n \)
の形に書き表わされる級数を\( x\) のべき級数あるいは整級数という。
次の式も整級数です。
\( \displaystyle \sum_{ i = 1 }^{ \infty } a_n(x-c)^n\)
\( =a_0+a_1(x-c)^1+a_2(x-c)^2+ \cdots \)
ガウス記号(gaussian symbol)
ガウス記号は実数の整数部分を表すための記号です。
(x は実数 nは整数)
n ≦ x <n+1の関係となる整数nがただ一つ存在する。
(アルキメデスの原理から由来している)
これを \(\underline{ \color{red}{ [\ x\ ] }= n }\)
と書く
例:[3.5]=3、 [0]=0、 [ー3.4]=-4、 [3]=3
[3.14]=3 [0.66]=0
関数と数式
・関数とは(function)
二つの変数x、yについて、xが決まると、それに対応してyの値が一つ決まるとき、yはxの関数であるという。
y=f(x)で表す。
・数式とは(mathematical formula)
数や関数などのような対象を表わす対象式、または何らかの関係を表わす関係式(等式、不等式など)のこと。
不定形(indeterminate form)
以下のような 0 と ∞がある式で値が定まらない形を不定形といいます。
\(\quad \frac{0}{0} \quad \frac{∞}{∞} \quad ∞-∞ \)
その他に以下も不定形です。
\(\quad 0\cdot ∞ \quad ∞^0 \quad 0^0 \)
以下は不定形ではありません。
\(\quad {∞}\cdot {∞}\) (\(=∞\))
方(ほう)べきの定理(power of a point)
下図のような円と点P と直線からなる図形における幾何学の定理です。
点P は2つの直線の交点。
図の下部にある関係式があります。
写像(mapping)
集合X と集合Y が与えられ、集合X の任意の要素 \(x\) に対し 集合Y の要素 \(y\) が定まるとき、この対応の規則(関係) \(f\) を写像という。
(一般に\(f\) とは関数であるが、こでは写像\(f\) はベクトルなど、もっと広い領域をもつ)
写像は次のように書く。
・\( f:X \longrightarrow Y\)
またX,Y の任意の要素についての\(y=f(x)\)に対し:
・\(f:a\longmapsto b\)
(矢印が異なるので注意する)
また写像には恒等写像、合成写像、単射、全射、逆写像(逆関数)などがある。
不動点(fixed point)
写像の言葉を使うと:その写像\(f\) によって自分自身に写される点のこと。
関数でいうと:\(f(x)=x\)を満たす\(x\) を関数 \(f\) の不動点という。
不動点は \(f(x)=x \) のグラフ上にあるから、ある関数の不動点は\(f(x)=x \)との共有点(交点)となる。
シュワルツの不等式
(schwarz inequality)
次のベクトルの不等式のこと。
\(|\b{a} \cdot \b{b} | ≦ \|\b{a}\| \ \|\b{b}\| \)
\|\b{a}\|とはノルムと呼ばれ、ベクトルの長さである。
【参考先】
線形代数以外に広く利用されている。
三角不等式
(triangle inequality)
次のベクトルの不等式のこと。
\( \|\b{a}+\b{b}\| ≦ \|\b{a}\| + \|\b{b}\| \)
【参考先】
線形代数以外に広く利用されている。
ユークリッドと非ユークリッド(空間/幾何)
(euclidean space/geometry)(non-)
直交座標系(デカルト座標系)における2点間の距離を次式によって定義される空間のこと。
2点 \((x_1,y_1)-(x_2,y_2)\) 間の距離\(d\) とは:
\(d(x,y)=\sqrt{(x_2-x_1)^2 + (y_2-y_1)^2}\)
(3平方の定理)
普通、高校まで学んできた幾何はユークリッド幾何です。
非ユークリッド幾何とはユークリッド幾何の反意語で使われることもある。
ユークリッド幾何での矛盾(ユークリッド幾何の公準5(平行線について))を解消・発展した双曲線幾何、楕円幾何などを総称して非ユークリッド幾何と呼んでいる。
以上の用語は一般的に解釈されている範囲で記載しました。
分数式、有理式などは同じような意味合いです。
数学のさらなる専門分野では使い分けしていますが、ここでは同じ扱いにします。
(ここが数学の深い専門分野での厳格な表現などが関係していますね)
注意したいのは「有理数(整数の割り算で
数です)」と「有理式、有理関数」とは異なります。
有理数は次回の講義で説明しています。