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湘南理工学舎

 楽しく学ぶ…初歩の数学

   階差数列

(progression of differences)

 --目 次--
階差数列の概念
例題(以下の一般項を求める)
 ∗(1)\(\{a_n\}=1,2,5,10,17,26,\cdots\)
 ∗(2)\(\{a_n\}=2,\ 6,\ 14,\ 30,\ 62,\ 126, \cdots \)
 ∗(3)\(\{a_n\}=3,\ 5,\ 8,\ 13,\ 21,\ 33,\ 50,\ 73,\cdots\)

階差数列の概念
 下図のように数列\( \{a_n \} \)のとなり同士の項の差の数列\( \{b_k \} \)を\( \{a_n \} \)の階差数列といいます。
規則性が分からない数列\( \{a_n \} \)の場合、その数列の階差数列\( \{b_k \} \)に規則性があれば、元の数列\( \{a_n \} \)の一般項が求められることがある。
求められないこともあり、そのとき、階差数列を2回とり、規則性を調べて一般項を求めることもあります。(例題(3)で行います)

下の概念図での階差数列は次のとおりです。
 \( \{ b_1,b_2,\cdots,b_{n-2},b_{n-1} \} \)

\( \quad = \{ a_2-a_1,a_3-a_2,a_4-a_3,\) \( \cdots,a_{n-1}-a_{n-2},a_n-a_{n-1} \} \)

また階差数列の和は:
 \( \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } b_k= \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n }(a_{n+1}-a_n) \)

です。
【階差数列の概念図】
tousa
 
 

 概念図から数列\( \{a_n\}\)の一般項は(階差\(b_n\)を使って):
\(\underline{ a_n= a_1 + \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } b_k \quad(1) }\) \(\ (n\geq2) \)
となることが分かる。
このうように 階差数列\( \{b_k \} \)に規則性があれば、元の数列\( \{a_n\}\)の一般項が求まる。

  この式は \( n\geq2 \)で定義されています。従ってこの式で求めた一般項を最終的に \(n=1\) について成り立つか、否かを確認する必要があります。
(式を見て分かるように、n=1 のときシグマは「 k=1 から 0 まで」となりシグマ計算に矛盾が生じますね。 その意味でも \( n\geq2 \) となるわけです。)
最終段階で、求めた一般項が「\(n=1\)」でなりたてば、「\( n\geq1 \)」 と書けることになります。

 次に、下の縦形の足し算の概念式に進みます。
上の概念図を式に反映した形です。
この図式から得た結果の一般項は上記と同じになります。
\( \require{cancel}\ \begin{array}{ccccccc} & a_n & - & \cancel{a_{n-1}} & = & b_{n-1} \\ & \cancel{a_{n-1}} & - & \cancel{a_{n-2}} & = & b_{n-2} \\ & \cancel{a_{n-2}} & - & \cancel{a_{n-3}} & = & b_{n-2} \\ & \vdots & & \vdots & & \vdots \\ & \cancel{a_4} & - & \cancel{a_3} & = & b_3 \\ & \cancel{a_3} & - & \cancel{a_2} & = & b_2 \\ +)& \cancel{a_2} & - & a_1 & = & b_1 \\ \hline & a_n & - & a_1 & = & \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } b_k \end{array} \)
左辺の合計は\(a_n\)と\(a_1\)だけ残り、他の各項はキャンセル(抹消)される。

\(a_n-a_1=\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } b_k \)
となり、以下の式が成立します。
\(a_n= a_1 + \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } b_k \) \(\ (n\geq2) \)
上記の式(1)と同じになりました。
 例 題 

(1)次の数列\(\{a_n\}\)の一般項を求めよ。  

tousa
 
図の上段の数列\(a_n\)の規則性はわからいので階差数列 \(b_n\) を調べます…それが下段です。
数列\(\{b_n\}\)の規則性…すぐにわかりますね。

この階差数列\(\{b_n\}\)は初項 \(a_1=1\)、交差\(d=2\) の等差数列であると分かります。
等差数列の一般項の公式:\( a_n=a+(n-1)d\)より 
\(b_n=1+(n-1)2\)
\(\therefore b_n=2n-1\) 
よって一般項 \(a_n\) は:

 \(\underline{a_n } =a_1+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } b_k \) \(\underline{ =1+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } (2n-1)} \)

(注:シグマの公式の\(n\)には\(n-1\)を代入すること。)
この続きの前に、これから使うシグマ計算の公式を書いておきます。


詳細は「シグマ計算の講座」を参照して下さい。
\(k\ ,n\ :\) 0 を含めた自然数。
\(c\ : \) 定数。

\(\ \displaystyle \sum_{ k = 0 }^{ n } c = nc \)

\(\ \displaystyle \sum_{k = 1}^{n} k = \frac{1}{2}n(n+1) \)

\(\ \displaystyle \sum_{k = 1}^{n} k^2 = \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1) \)

\(\ \displaystyle \sum_{k = 1}^{n} 2^k =2 \displaystyle \sum_{k = 1}^{n} 2^{k-1} =2\cdot \frac{1-2^n}{1-2} =2(2^n-1) \)


--------例題(1)の続き--------
\({a_n } =1+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } (2n-1)\)

\(\quad =1+2\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 }n - \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 }1 \)
シグマ∑の上添字が公式と異なることに注意して!

\(\quad =1+2 \cdot\frac{1}{2}(n-1)n-(n-1)\)

\(\quad \underline{ =n^2-2n+2}\)

【確認】
初項=1です。
(求めた式より n = 1 のとき \(a_1=1\) )
また、この一般項は n=1でも成り立ちます。
すなわちn の条件は \(\ (n\geq1) \) となります。

             
(2) 次の数列\(\{a_n\}\)の一般項を求めよ。 

 \(\{a_n\}=2,\ 6,\ 14,\ 30,\ 62,\ 126, \) \( \ 254,\ 510,\ \cdots\)

この数列の階差数列は:
\(\{b_n\}=4,\ 8,\ 16,\ 32,\ 64,\ 128,\ 256,\ \cdots\)

となり、この階差数列は初項\(a_1=4\), 公比\(r=2\)の等比数列です。

(等比数列の一般項の公式( (\( b_n=a\ r^{n-1}\) )

従って\(b_n=4\cdot2^{n-1}\)

よって元の数列の一般項は:
\(\underline{ a_n} =a_1+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } b_k\) \(=2+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 }4\cdot2^{n-1}\)

\(\quad =2+4\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 }2^{n-1}=2+4 \frac{1-2^{n-1}}{1-2} \)

\(\quad =2+4 \frac{2^{n-1}-1}{2-1}=2+4(2^{n-1}-1) \)

\(\quad \underline{ =4\cdot 2^{n-1}-2 } \)

【確認】
初項=2です。
(求めた式より n = 1 のとき \(a_1=2\) )
この一般項は n=1でも成り立ち、 \(\ (n\geq1) \) となります。

             
(3)次の数列の一般項を求めよ。  
  (階差数列を2回とる場合の例題です)

 \(\{a_n\}=3,\ 5,\ 8,\ 13,\ 21,\ 33,\ 50,\ 73,\) \( \ 103, \ \cdots\)
この数列を見ても、とても規則性は分かりませんね!
以下に、この数列の階差数列を求めていきます。

1回目の階差数列:
\(\{b_n\}=2,\ 3,\ 5,\ 8,\ 12,\ 17,\ 23,\ 30,\ \cdots\)
これでも規則性がみえません

2回目の階差数列:
\(\{c_n\}=1,\ 2,\ 3,\ 4,\ 5,\ 6,\ 7, \ \cdots\)
これで規則性がみえした。初項1、交差1 の等差数列ですね。
(等差数列の一般項の公式( (\( b_n=a_1+(n-1)d \) )

これから一般項を求めていきます。
\(\{c_n\} \)の一般項は:
\(\underline{ c_n=1+(n-1)1=n } \)

\(\{b_n\} \)の一般項は:
\( { b_n} =b_1+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } c_k =2+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 }n \)
\( \underline{ =2+ \frac{1}{2}n(n-1)} \) \( \underline{ = 2+\frac{1}{2}n^2-\frac{1}{2}n }\)


\(\{a_n\} \)の一般項は:
\( { a_n} =a_1+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } b_k \) \(=3+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 }(2+\frac{1}{2}n^2-\frac{1}{2}n) \)
\(=3+\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 }2 + \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } \frac{1}{2}n^2 -\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } \frac{1}{2}n \)
\(=3+ 2\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 }1 + \frac{1}{2} \displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } n^2 -\frac{1}{2}\displaystyle \sum_{ k = 1 }^{ n-1 } n \)

\(=3+ 2(n-1)\cdot 1\) \( + \frac{1}{2}(\frac{1}{6}(n-1)n(2n-1))\) \( -\frac{1}{2} \cdot \frac{1}{2} (n-1)n \)

\(=3+(2n-2)\) \( + \frac{1}{12}n (2n^2-3n+1)\) \( -\frac{1}{4}(n^2-n) \)

\(=(1 +2n)\) \( + (\frac{1}{6}n^3 +\frac{1}{4}n^2 + \frac{1}{12}n)\) \( -(\frac{1}{4}n^2-\frac{1}{4}n) \)

\( \underline { =\frac{1}{6}n^3 - \frac{2}{4}n^2 + \frac{7}{3}n +1 }\)


【確認】
  初項は3 です。
(求めた式より n = 1 のとき \(a_1=3\) )
この一般項は n=1でも成り立ち、 \(\ (n\geq1) \) となります。

             

coffe

[コーヒーブレイク/閑話]…お疲れさまでした

おすすめするのは、求めた一般項の正しさを n=1 以外の\(n\)についても確認すべきです。

少なくとも3つ以上の\(n\)について確認したいですね!

しかし、「項数が多い、次数が増えたとき」、確認のための手計算は大変です。

こういう時には表計算ソフトが役に立ちます。