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湘南理工学舎
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2024/10/10

 豆知識/数学

 メモリ製品とデータ量


(memory and storage capacity)
 --目 次--
  • ♦はじめに
  • ♦ビットパターンとデータ量
  • ♦データ量の単位
  • ♦メモリとアドレス空間
  • ♦メモリの種類

  • 【主要なメモリ】
  • ♦SRAM
  • ♦フラシュメモリ
  • ♦DRAMメモリとモジュール
  • ♦USBメモリ(F.メモリ)
  • ♦SDカード(F.メモリ)

  • ♦閑話:5Gと5GB


  • はじめに


     前回の「2進数・16進数とコンピュータ」に続き, ここでは「メモリーとデータ量」と「メモリとモジュール製品」について解説します。
    メモリーには PC(コンピュータ/パソコンのこと)が処理するデータやプログラムを一時的に保存, 保存したデータをいち早くCPU に渡し,PCの処理速度を高速にする役割があります。
    以下で述べるフラシュメモリとDRAMは単体ではPC に接続できません,PC との接続用のインターフェース回路とコネクタが必要で,ここには電子技術の深いものがあります。
    メモリの性能は記憶容量と伝送速度です, ここでの目的はニーズにあう「メモリのモジュール製品」,「その呼称と型式」を適確に選定・指定できるようになることです。
    ①SD(写真無し)  ②miniSD  ③microSD
    メモリ
    上:アダプター(miniSDカード②)
    下:microSDカード(本体③)

    メモリ
    USBメモリ

    お馴染みのSDカード, USBメモリです, 中にはフラッシュメモリが搭載されています。
    ハードディスクと同じ "記憶ストレージ" の分類です。

    ビットパターンとデータ量


    ビットパターンはメモリー容量の基本です。
    8bit(1バイト)のデータ量(情報量)は256 通りを識別でき, これをビットパターンといいます。
    8bitの領域は\(\s{"0000\ 0000b"}\sc{(0)}\) から \(\s{"1111\ 1111b"}\sc{(255)}\)です。
    1から数えて255です, 0から数えると 256 です。
    "255" に"0" の数を加えると "256"「ニゴロ」となり, 8bit分のデータ量(情報量)になる。
    ビットパターン数\(P_n\)は次式で求められる:
     \(P_n=2^n\)\(\quad :\small{❶}\) (nはビット数)
    8bitより大きい情報量(容量)を求める:
    10bit : (2進10桁)
    \(\quad P_{10}=2^{10}=\bv{1,024}\)
    12bit : (2進12桁)
    \(\quad P_{12}=2^{12}=4,096\)
    16bit :(2バイト) (2進16桁)
    \(\quad P_{16}=2^{16}=65,536\)

    次に1バイト(8bit)より大きいデータ量と単位を示します

    データ量の単位


    データ量の単位は次の順に大きくなります:
      B:バイト→ KB:キロバイト→ MB:メガバイト→ GB:ギガバイト→ TB:テラバイト→ PB:ペタバイト
    2進では "1 KB=1,024 B" を基本に単位が変化します。
    (1024 は10bitのビットパターン数です)
    10進のK(キロ)が1,000に対し, 2進のK は 2の10乗=1,024 です。
    MB以上も同様に, 1MBは2の20乗・1GBは2の30乗・1TBは2の40乗・1PBは2の50乗です。
    【表1】データ量の単位
    \(\begin{array}{c|c|c} \hline 単位 & バイト & 備考 \\ \hline 1\s{(B)} & 1 & 8 bits \\ \hline & \downarrow \sc{1024倍} & \\ \hline 1\s{(KB)} & 1024 \s{B} & 1024^1 \sc{B} \\ \hline 1 \s{(MB)}\p{0} & 1\s{KB}\x 1024 & 1024^2 \sc{B} \\ \hline 1 \s{(GB)}\p{0} & 1\s{MB}\x 1024 & 1024^3 \sc{B} \\ \hline 1 \s{(TB)} & 1\s{GB}\x 1024 & 1024^4 \sc{B} \\ \hline 1 \s{(PB)} & 1\s{TB}\x 1024 & 1024^5 \sc{B} \\ \hline \end{array} \)
    注1:1TBは \(\s{2^{40}=(2^{10})^4}\)\(\s{=1024^4 B}\) ( =約1兆Byte)の莫大な値になります。
     (1MB≒100万Byte, 1GB≒10億Byte)
    注2:上記を8倍すれば bit に換算できる:
      1MB≒800万bit, 1GB≒80億bit, 1TB≒8兆bit

    メモリとアドレス空間


     PC はメモリのアドレス指定して, データを読み書きしています。
    16bitのメモリを例にすると:
    16bitのアドレスでは 65,536 個のアドレス空間があり, その各アドレスには 16bit(または8bit)のデータが入るデータ空間があります。
    (65536個のアドレス空間とは 16bitのビットパターンです)
    【表6】16it アドレス空間
    \(\begin{array}{|c|c|} \hline アドレス & データ \\ \hline 0FFFFh & 8bit/ 16bit \\ \hline 0FFFEh & 8bit/ 16bit \\ \hline \vdots & \vdots \\ \vdots & \vdots \\ \hline 0002h & 8bit/ 16bit \\ \hline 0001h & 8bit/ 16bit \\ \hline 0000h & 8bit/ 16bit \\ \hline \end{array} \)


    メモリの種類


    メモリ
    初期のEPROMとSRAM(1975年頃)
    EPROMの書き込みにはROMライター(高い電圧で書き込む), データ消去にはROMイレーサ(ガラス窓に紫外線をあてる)が必要でした。
    ROM, RAMもパッケージがDipタイプ(Dual Inline Package)で, プリント基板の穴にメモリの足を通し半田付けするものです。
    容量は62KB,32KBです…小さいですね!(将来の子供がびっくり)

    近年は小型化,モバイル化, 画像データ高解化, 大容量化, 高速化 などのニーズに応えるべき様々なメモが製品化されています。
    これからメモリの分類, 種類, それらの特徴について解説していきます。
    メモリは大きく分けてROM と RAM に分かれます。
    メモリの英名:
    ・ROM: Read Only Memory   ・RAM: Random Access Memory
    ・SRAM :static RAM   ・DRAM: Dynamic RAM

    ROM:不揮発性(電源を切ってもデータは消えない)
    \(\cl{Ⓐ}\begin{cases} マスクROM & \s{製造時に書き込み, 消去不可} \\[5px] PROM\ \bv{ \ul{Ⓑ} } & \s{書換え可能} \end{cases} \)

    \(\bv{\ul{Ⓑ}} \begin{cases} P ROM & \s{ユーザが書き込み, 消去は不可} \\[3px] EPROM & \s{書換え可能, 電気的に書き込み, 紫外線で消去} \\[3px] EEPROM & \s{電気的に書き込み,消去, 小容量, コスト高}\\[3px] フラッシュ & \s{電気的に書き込み・消去, コスト安, EPROMの代替}\\[1px] \qquad メモリ & \s{ストレージ用(詳細は別途)}\\[3px] \end{cases} \)

    注:EEPROMは一般にフラッシュメモリよりも速度が遅く, 大量のデータを書き込みには不向き,設定データ用などに使われる。
    RAM © :揮発性(電源を切るとデータは消える)
    \(\bv{\cl{©}}\begin{cases} SRAM & \s{高速だが高価, 小容量, キャッシュメモリに使われる} \\[7px] DRAM & \s{低価格, 大容量, メインメモリの主流} \end{cases} \)
    SRAM:通電中はフリップフロップ回路にデータを保存
    DRAM:通電中はトランジスターにデータ保存, 定期的に給電してデータを保存

    主要なメモリ


    上記の中から主なメモリと そのモジュールについて説明します。
    SRAM

     従来,SRAMは PCの メインメモリでしたが "高価, 大容量化に不向き" であることから,現在はDRAM にとって代わりました。
    今, SRAM の多くは キャッシュメモリ として使われることが多くなりました。
    キャッシュメモリ(Cache Memory)
     キャッシュメモリはCPUの近くに置くか CPUに内臓し, CPUの処理速度を上げるため, メインメモリのデータを一時的にキャッシュメモリに保持し, CPU はキャッシュメモリと高速アクセスが可能 … SRAMの高速性能を生かしています。
    キャッシュにはCPU に近い順に1次キャッシュ(L1), 2次(L2), 3次(L3)などがあります。
    フラッシュメモリ

     EEPROMの一種であるフラッシュメモリはNAND型とNOR型の2種類があり, NAND型は最も一般的なタイプで、USBメモリやSDカードなどの多くのモジュール製品に使わています。
    近年,パソコンのハードディスクの代替としてフラシュメモリを搭載した" SSD "(※) も出現しています。 (※:Solid State Drive)
    また NOR型は高速読み出しが可能, 信頼性が高いが NAND型に比べて高集積化に不利であることから 従来の ROM に代わりFlash ROM として使われています。
    パッケージは表面実装タイプ(TSOPなど)が多い。(個人が実装するのは困難)
    注:フラシュメモリは1980年, 東芝の舛岡富士雄氏の発明です。
    メモリ
    USBメモリ(フラシュメモリ搭載)
    メモリ
    フラシュROM
    フラシュメモリのチップ単品を個人が扱うのは難しく,フラシュメモリを搭載したUSBメモリ, SDカードなどの完成品を私たちは使っています。
    写真のフラシュROMは "Nuvonテクノロジー社" の"ML51LDIAE", SRAMを内臓した便利なメモリです。 容量は64KB(4KB SRAM内蔵)。
    両写真ともチップのパッケージは表面実装型, プリント基板の表面上で半田付けするタイプです。

    DRAMメモリとモジュール

    メモリの英名:
    ・DRAM:Dynamic Random Access Memory  ・SDRAM:Synchronous DRAM
    ・SDR:Single Data Rate   ・DDR:Double Data Rate
     DRAM単体を個人で使うことはなく, 以下の DDR SDRAMのようにDRAMを実装したモジュール製品を, 私たちは使用しています。
    DRAMはコンデンサの電荷を定期的に更新(リフレッシュ)してデータ保存しています。
    DDRはデータの 読み・書き を同時に行い, SDRは 読み・書き は別々なので, DDR はSDRAM の約2倍のスピード。
    データの読み書きを: ・SDRはクロックの立ち上がりエッジで行い, ・DDR はクロックの立ち上がり/下がりの両方のエッジで行うので高速。
    SDR(シングルデータレート)のSDRAMは古く, 2002年頃以降はDDR(ダブルデータレート)のSDRAM が主流です。
    また, SDRAMとDDRは規格であり, 次のような世代で進化しています:
      DDR SDRAM→ DDR2 SDRAM→ DDR3 SDRAM→ DDR4 SDRAM→DDR5 SDRAM(2020年)
    世代が進むにつれて、動作速度の向上と消費電力の削減が図られています。
    メモリの世代間の互換性が低いので注意が必要です。

     次に DRAM のパッケージ規格はSIMMからDIMMに進化, DIMMは高速化と大容量化し,デスクトップPC,サーバーなどで広く使用されています。(下の写真を参照)
    ノートパソコンにはDIMMを小型化した規格の SO-DIMM が使わています。

    また, 容量はメーカにより異なるが,例えばDDR4 SDRAMメモリでは4GB/8GB/16GB/32GBなどが用意されている。

    パソコンのスペック例 " DRAMの指定例"を以下に示します.
    DDR4 SDRAM/SO-DIMM 4GBx2, PC4-25600対応
    上記の「4GBx2」の意味:
    メモリを増設するときは、2枚1組が基本です。
    パソコンのデュアルチャンネル機能は, "2枚, 同じ容量のメモリ" の増設により 両方のメモリに同時にアクセスできるようなり, 効率良くメモリが使えるようになります。
    パソコンへの増設【参照先】(NEC Lavieの場合)

    メモリ
     DRAM
    \(DDR4-SDRAM ( 288 ピン ) の仕様例\)
    \(\begin{array}{c|c|c|c|c} \hline \s{チップ規格}&\s{モジュール規格}&\s{メモリクロック}&\s{バスクロック}&\sc{転送回数}&\sc{最大転送速度}\\ & & \s{(MHz)} & \s{(MHz)}& \s{MT/s}& \s{GB/秒} \\ \hline DDR4-1600& PC4-12800& 100& 800& 1600& 12.8 \\ DDR4-1866& PC4-14900& 116& 933& 1867& 14.9 \\ \vdots & \vdots & \vdots & \vdots & \vdots& \vdots\\ DDR4-3200& PC4-25600& 200& 1600& 3200& 25.6 \\ \hline \end{array}\)

    ・転送回数(MT/s)とは, 毎秒の転送回数(メガバイト単位)のデータ転送量,データ転送速度を評価する基準です。
    ・チップ規格の例えば"DDR4-1600"のDDR4が明確であれば"DDR1600"と表示している資料もあります。
    DDR SDRAM規格の【参照先】(IT用語辞典 e-Words)
    USBメモリ
    (Flashメモリ)
     USBメモリは 主にPCをはじめ…様々な機器の記憶装置として使われています。
    USB2.0 とUSB3.0(2008年) の2種類があり, 転送速度が "2.0規格は最大480Mbps" に対し "3.0規格は最大5000Mbps" と 約10倍以上の速さです。
    ・現品の識別: 3.0規格はコネクタ先端の中の絶縁部分が青色です。
    ・USB2.0 のポートにUSB3.0 のメモリを接続しても動作する。(但し3.0の速度は発揮しない)
    ・容量は 数GBから1TB 以上まで様々あります。
    ・コネクタは数種類あります, 殆どのPCは "CUSB Type-A" を使っています。
    USBメモリ全般【参照先1】Logitec
    USBメモリコネクタ【参照先2】ELECOM

    SDカード
    (Flashメモリ)
    "SDカード"と"microSDカード"はサイズが異なるが, 次のように同様な進化をしています。
     SDカード→SDHCカード(2006年)→SDXCカード(2010年)に進歩。
    (microSDカード→microSDHCカード→microSDXCカードに進歩)
    容量
    SDカード, microSDカード:~2GB
    SDHCカード, microSDHCカード:4~32GB
    SDXCカード, microSDXCカード:64GB~2TB
    スピードクラス:転送速度
    ・Class2・4・6・10:2~10 MB/秒
    ・UHS Speed Class 1, 3: 10~30 MB/秒
    ・ビデオ Speed Class 6, 10, 30, 60, 90 :6~90 MB/秒
    ・UHS Speed Class 1, 3 :10~30 MB/秒
    SDカード【参照先】Wikipedia
    SDカード【参照先】Logitec


      

    coffe

    [コーヒーブレイク/閑話]…お疲れさまでした

    興味のある方へ

    5Gと5GB


      "5G" とは 第5世代(5 Genaration) のことです。
    データ量の5GB (5ギガバイト) のことではりません。
    2020年ごろから スマホ関連において "5G" の言葉が 登場しています。
    単に "5G" いうときは5世代移動通信システムのことです。
    "5G"の語源は "5 Genaration" です。
    "5G"の特徴は「高速大容量」「多数同時接続」「超低遅延」, すなわち:
    「4Gと比べて10倍以上の高速通信」「同時接続できるデバイスが多数」「通信は遅延が僅か」である。
     5Gにより外科手術中の画像を見て遠方から手術の指導ができるのは, 画像の高解像・リアルタイムにより実現されています。
    また将来は遠隔操作によるロボット手術も可能でしょう。

    1Gから4Gの沿革は:
    1G: 1979~: アナログ、音声データ
    2G: 1993~: デジタルデータ化
    3G: 2001~: 動画・音声の充実, 世界共通の高速規格
     (「LTE」:3Gと4Gの中間に3Gをさらに高速の通信規格)
    4G: 2010~: 高速化, スマートフォンの拡大
    世代が上がるつれ高速通信化, リアルタイム化, マルチアングル映像化が進んでいる。
    5Gの【参照先】 (総務省 移動通信システムの進化とその影響)

    注記:
    " 5GB " (Bに注意) とはデータ量であり"5ギガバイト"のことです。
    例えば, パソコン, スマートフォンなどメモリの容量が"5GB"ということ。
    また, スマートフォンの "5GB"/月 とは毎月使えるデータ通信量のことで, 動画・ゲームなど多く,また長時間視聴すればデータ通信量は多く, 高価になります。

    またパソコンに使われているCPU(別名:マイクロプロセッサ)でも世代を表記している。
    ・例:インテル "第7世代" の "intel Core i5" (2017年 Kaby Lake)
    ・例:AMD社 "第4世代" の "Ryzenシリーズ" (2021年 Zen3)