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線形結合
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自明な解とは
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線形独立と線形従属
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線形独立と線形従属の具体例
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線形独立の表現の一意性
はじめに図形的な意味を述べておきます。
線形独立は1次独立、線形従属は1次従属ともいいます。
線形従属なベクトル \(a, b \)とは:互いに
平行なベクトルの組です。
線形独立なベクトル\(a, b\) とは:互いに
平行でないベクトルの組です。
\(a\)と\( b\) のベクトルが一定角で交差している、例えば
直交座標(または斜交座標も)の\(\ x,y\ \)の座標軸は線形独立です。
座標軸は長さを測る定規や物差しです。それが他から影響されてはこまりますよね。
3次元の場合は3つのベクトル \(a,b,c\) に対して\(a, b\)が平行でなく、\(a, b\)が作る平面にベクトル\(c\) がないこと。
さらに\(a, c\) と \(b\)について、 \(b, c\) と \(a\) についても同様であるときは線形独立である。
n次元線形空間(※)
\(R^n\)においてベクトルが与えられ、ベクトルをスカラー倍(定数倍)して足し合わせたものを線形結合(または1次結合)という。
(※1)【参照先】
\(R^2\)(2次元)を例にして説明します。
ベクトル\(\ a\)と\(\ b\)、スカラ\(\ c_1\)と\(\ c_2\)とすると:
•\(c_1\ a+c_2\ b\ \)は:「\(\ a,b\)の線形結合」という。
•\(d=c_1\ a+c_2\ b\ \)は:「\(\ d\)は\(a,b\)の線形結合」で表されるという。
線形結合の例:
ベクトル:\(a=
\left(
\begin{array}{c}
1 \\
3
\end{array}
\right)
\)
\(, b=
\left(
\begin{array}{c}
1 \\
2
\end{array}
\right)
\)
スカラー(定数):
\( \ c_1=3, \ c_2=2\)のとき:
\(\ d=c_1a+c_2b\)
\(\ = 3
\left(
\begin{array}{c}
1 \\
3
\end{array}
\right)
\)
\(+2
\left(
\begin{array}{c}
1 \\
2
\end{array}
\right)
\)
\(=
\left(
\begin{array}{c}
5 \\
13
\end{array}
\right)
\)
線形結合を行列の積で表す:
\( d_1=c_{11} a_1 + c_{21} a_2 + c_{31} a_3 \)
\( d_2=c_{12} a_1 + c_{22} a_2 + c_{32} a_3 \)
\(
(d_1,d_2) = (a_1,a_2,a_3)
\left(
\begin{array}{c}
c_{11} & c_{12} \\
c_{21} & c_{22} \\
c_{31} & c_{32}
\end{array}
\right)
\)
ベクトル\(d_1,d_2\)は\(a_1,a_2,a_3\)の線形結合で表している。
またスカラーの行列部を\(K\)とおけば:
\( (d_1,d_2)=(a_1,a_2,a_3)K\) と書ける。