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湘南理工学舎

 楽しく学ぶ…初歩の数学

   平方完成

(completing the square)

 --目 次--

平方完成とは
2次曲線のグラフを描く・特徴を捉える
平方完成は積分の解法に役立つ
平方完成の方法
例 題
 
平方完成とは:
\( ax^2+bx+c \longrightarrow \underline{a(x-g)^{2}+h } \) の形にすることです。

  初めに平方完成が活躍する具体例を2つ紹介します。

1.2次曲線のグラフを描く・特徴を捉える
2次式 \(ax^2-4x+19 \) の平方完成は下式です。
\( a(x-2)^2+15\) \(=a(x-g)^2 + h \)
の a=1 としてグラフにしたのが下図です。(青は\( x^2\)のグラフ)    
すなわち\( x^2\) のグラフを x軸をg、y軸をh へ平行移動したものです。
この曲線は放物線(parabola)、また頂点はQ=(g,h)=(2,15)です。

 
放物線

2.平方完成は積分の解法に役立つ。
「 \(  \underline{ \int \frac{1}{x^2+4x+13} dx} \) の不定積分を求めよ」 の問題に対し

次のように平方完成を用いて解けます
以下の積分公式に平方完成の式を当てはめることにより積分の答えが導き出せます。
 \( \int \frac{1}{a^2+x^2} dx =\underline{ \frac {1}{a} tan^{-1} \frac{x}{a}} \)

問題の分母を平方完成すると
\( x^2+4x+13 = (x+2)^2+3^2\)

これを積分公式にあてはめると:
\( \int \frac{1}{x^2+4x+13}dx = \int \frac{1}{3^2+(x+2)^2}dx \)

\( = \underline{ \frac{1}{3} tan^{-1}\ \frac{(x+2)}{3} } \)

と積分が解けました。
 
平方完成の方法
 \(ax^2 + bx + c \) を \(\underline{ a(x-g)^{2} + h}\) の形にするのが平方完成です。

 ( \(a(x^2-2gx+g^2)+h\) )

  基本的な手順:
 •はじめにxの係数となる g を決める。
 •次に定数項の c と同じになるように h を決める。

 例 題 
(1) \( x^2+8x+20 =(x-g)^{2}+ h \)  

\( g=\frac{8}{2}=4\) と決定、\((x+4)^2\) の形が決まる。
あとは定数項が合うようにして、
\( \ x^2+8x+20 = \underline{ (x+4)^2+ 4 }\)
(2) \( \ x^2+5x= (x-g)^{2}+ h \)

\( g=\frac{5}{2}\) と決定、\((x+\frac{5}{2})^2\) の形が決まる。
あとは定数項が合うようにして、
\( \ x^2+5x= \underline{ (x+\frac{5}{2})^2-\frac{25}{4}}\)
(3) \( \ 2x^2+8x= a(x-g)^{2}+ h \)  

この例は a=2 です。 与式を次のように考える。
\(ax^2+bx+c\)\(=a(x^2+\frac{b}{a}x)+c\) として
・\( a=2\)
・\(g=\frac{1}{2} \frac{b}{a}= \frac{1}{2} \frac{8}{2}=2\)
と決定、\(2(x+2)^2\) の形が決まる。
あとは定数項が合うようにして、
\( \ x^2+8x = \underline{2(x+2)^2-8 }\)

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[コーヒーブレイク/閑話]…関数の語源

 数学の用語の語源を考えてみました。
平方完成は英語で「completing the square」なので語源は日本以外ですね。
英語名から日本名がイメージできる用語が多くあります。(素数⇔prime number)
イメージできない用語もあります。 それでは関数(function)はいかがでしょうか。
昔、1600年代に日本の数学者、関孝和(せき たかかず)は代数の計算法を開発して、和算が高等数学として発展するための基礎を作ったことで有名です。
その後、何代もの弟子が受け継いできました。 彼は関流の始祖としてあがめられたそうです。
(同年代にアイザック・ニュートン(英1642~1727年)がいます。)
私は「関数」は「関孝和」の「関」からきたのでは?と思っていましたが、推測は間違いでした。
関数を昔は函数(旧字体)と書き、中国からきたものでした。
ちなみに方程式(equation)の語源も中国でした。