•上の体系図は見慣れた図ですね、特に疑問もなく当たり前のように見てますが、実数が明らかになるまでには長い歴史があったようです。
この種の議論には深いもの(専門分野)があります。また数には複素数もありますが、これについてはどこかで扱うことにして、ここでは省きます。
•整数は、「割り算について
閉じて」いないとは…
整数どうしの四足演算のなかで、以下の様に割り算での答えは整数にならないことがある。
\( 7+2=9, \quad 9-2=7, \quad 2 \times 8=16\)…加・減・乗の答えは整数になる。
\(1 ÷3 =\frac{1}{3}\)…除算の答は整数にならない。
このことを「整数は割り算について
閉じていない」と言う。
•有理数は、「四則演算において
閉じている。」
有理数の演算は整数どうしの四足演算について、以下の様に答えは必ず有理数になる。
[コーヒーブレイク/閑話]…
無理数の発見から公理になるまの期間(時代)…なんと2千年以上かかったのです。
無理数は1872年、英国のデテキントによって「デテキントの切断(Dedekind Cut)」で定義されました。
紀元前の…ピタゴラスの定理より \( a^2 + b^2 = c^2 から C=\sqrt{a^2+b^2} \) …(直角3角形の斜辺C、他の2辺=a,b)
ここで \( a=1, b=1\) なら… \( C=\sqrt{1^2+1^2} =\sqrt{2}\)
であるから、簡単に無理数の\(\sqrt{2}\)が得られます。
ピタゴラスの定理は紀元前500年代に発見された定理ですが、この時に無理数の存在が判っていたことになります。
ピタゴラスの弟子が有理数では説明できない数を発見したとされている…それが\(\sqrt{2}\) です。
無理数の存在認識・予想から証明し、公理になるまでなんと長い・長い時代を要したことになります。
数学の証明の厳格さがでていますね!