実数の連続の証明の歴史に対して、微分積分学ではどうか…微分についての極限の概念は紀元前、積分の基礎は10世紀ごろ始まり近代にはいり、17世紀において、ニュートンをはじめとする数学者により微分積分学の統合が行われた。
これからデデキントの切断公理により実数の連続性を解説していきます。A,B 空集合ではない
2)\(A∪B=\bm{ R } \ , \ A∩B= \emptyset\)
A,Bの和集合は実数
A,Bの共通は空集合 (A とB は互いに交わらない)
いずれの元も、A組かB組のいずれかに属す
A の任意の元a とB の任意の元b について \(a \lt b\)
このとき (A,B) を実数 \(\bm{ R }\) の切断(A,B)という。これから切断の境界の最大数(最小数)について論じるので、最大値(最小値)について復習しおこう。
集合A の最大値(最小値)とは(参考)(a はA の元 そしてA内の全ての数に対して a が最大 のとき)
☞ポイント 最大値a とはA の元、A に属していること。
次の例で確認しよう。
集合A に1,2 を含むから最小値=1、最大値=2がある。
有界であるが集合A に1,2 を含まないから最大値、最小値はない。
A組はC で右半閉区間、B組はC で左半開区間
a) C はA かB のいずれかに属すこと。
b) A∩B=\(\emptyset\) 共通部は空(A とB は交わらない)
\(
\begin{cases}
A組:2乗して2より大きい有理数\ かつ x\gt 0)\\
B組:A組以外の有理数
\end{cases}
\)
記号で表すと:
\(
\begin{cases}
A=\{x\in \bm{ Q }|x^2\gt 2\ かつ x\gt 0\}\\
B=\bm{ Q } \setminus A\quad (B=Q-A:差集合)\\
\end{cases}
\)
この場合、境界にある数\(x^2=2\) であり…有理数にはない数で、有理数の数直線では穴が開いています。
これは無理数の\(\sqrt{2}\)です。
そこで稠密な有理数にさらに、稠密な無理数を加えた実数が登場します。
実数の公理
次の4つ公理を満たす集合\(\bm{R}\) を実数体といい、その元を実数という。 1.連続の公理(デデキントの公理)
実数の切断(A,B)において、次のいずれかが成立する。
1)A組に最大数があり、B組には最小数がない。 2)A組に最大数がなく、B組には最小数がある。 これは実数が連続であることを示している。 2.四則演算に関する性質
実数において0 による除法を除いて、加減乗除の四則演算は自由に行える。
3.大小の順序に関する性質
(これを実数の体を作るという)
実数は次の大小関係をもつ
4.大小の順序と演算に関する性質
1)任意の2元 a,b の間には a>b a=b a<b のうちただ一つの関係だけが成り立つ。 2) a>b, b>c ならば a>c である。
大小の順序と演算について次が成り立つ
5.アルキメデスの公理
1) a>b ならば a+c>b+c 2) a>b, c>0 ならば ac>bc
任意の正の定数 h , 任意の正の数 K に対して
nh > K となる自然数がn が存在する。(※) |
任意の正の数k に対して、\(n>N\)ならば、\(nh<k\) となるN が存在する
最後に一言:
偉大な数学者が実数の連続性を証明し、公理にしたのだから、我々はそれを利用して先に進むのも、よいことでしょう。